10月のサポーター企画会議レポ「都会と田舎をつなぐ社会起業」

10月の定例会「サポーター企画会議」のテーマは、都会と田舎をつなぐ社会起業の研究。「ソルビバ農園と都会のオーガニックレストラン 市民革命の実験装置」と題して、建築家 空間プロデューサー 吉川 宏一 さんに基調トークをお願いした定員15名のところ、今回も大幅にオーバー。
なにせ、早くにお申し込みいただいたのは女性と青年。オヤジはどうした!?
と、オヤジの参加を待っていたら、こんな人数になってしまいました。
女性も青年も大歓迎。でも、やはりメインは元気なオヤジ。その訳は、このレポートの最後に。最後まで読んでくださいね。

ゲストとバイト君の分を合わせて22名の料理作りや食器などの用意はさすがにたいへん。当日は午後から大パニック。
そこへ、強力な助っ人登場。
定年後農業をはじめられた会員のkiyoさん。事前にkiyoさんの作った新米を送ってもらっていたので、早速、おにぎり作りを手伝ってもらう。
続いて、料理人のつれ釣れ人さんと今回初参加の神戸スウィートガーデンの波々伯部さん登場。

さっそく、つれ釣れ人さんは、波々伯部さんのからご提供いただいた有機栽培のブルーベリーでスムージー、サツマイモと枝豆、コールラビで天ぷらづくり。そして、今回、山椒プロジェクトのために開発してくださった山椒ドレッシングで、柿のサラダづくり。(これが抜群に美味しかった!)神戸スウィートガーデンさんの有機野菜を使って商品化された黒豆ドレッシング、野菜ドレッシングで、ベビーリーフもサラダに。

私が用意したのは、本日のゲスト吉川さんが経営する滋賀県高島市のソルビバ農園から送っていただいた有機野菜を使った料理。
メインは、戻り鰹をにんにくオイルで表面をサッと焼いて、煮詰めたバルサミコ酢と醤油をあわせたソースをかけ、ソルビバ農園のオニオンスライスとルッコラ、にんにくチップスをたっぷり添えた一品。ソルビバ農園の柔らかな菊菜は湯がくのはもったいなくて生で食すことに。菊菜をちぎって、烏賊の刺身、カリカリに焼いたうす揚げをあわせて、醤油ドレッシングであえた一品。小芋は蒸して、味噌マヨネーズを添えて焼き目をつけて香ばしく。万願寺唐辛子とピーマンは一度素揚げにして油抜きをしてから厚揚げと一緒に煮物に。大根の間引き菜はサッと湯にくぐらせて、細かく切って菜飯のおにぎり。ご飯のお供、鮭のフレークと明太子もおにぎりに。

なんとか、料理も準備も整い。あとはゲストと参加者がそろうのを待つばかり。
時代の先端を行く格好いい仕事をされてこられた建築家・空間プロデューサーである吉川さんが、なぜに、今、農業なのか。
飄々とした風貌の吉川さんが、会場、到着。さっそく、お話を伺うことに。

吉川さんは、1951年生まれ。倶楽部の発起人のkakiuchi yoneda mori
と同い年。世代的に、共感することがたくさんあって、思わず乗り出して話に耳をかたむけることに。

学生時代は学園紛争の嵐が吹き荒れており、何かおかしいと立ち上がってみても、結局はいい大学に入って、いい会社に入って、気がつけば体制側の人。
数年間のサラリーマン時代を経て、建築家としてデビュー。
そのころ、私は吉川さんと同じ阪神間のマンションデベロッパーの仕事をしている。いつも、すばらしいお仕事をされているなとチェックは入れてたのですが(笑)。倶楽部のゲストにきていただくために、再会したのは20数年ぶり。あ、これは余談です。
数々の時代を切り開くような仕事をされて、ニュージーランドに移住。ノストラダムスの予言がきっかけだったとか。家族を安全なところにと言う思い。ニュージーランドで15万坪の葡萄園を経営しながら暮らし、日本に建築の出稼ぎ。

そんな中で、奈良時代の手法で1000年持つ家を滋賀県で建てることになった。
10数年かけて建てていると、目の前に広がる棚田が、次第に荒れて壊れていくのをつぶさに見ることになったそうです。

「農家では、お米は一俵14000円〜15000円で出荷するがそれでは食えない。それではと、農家の人にお米を作ってもらって、一俵24000円で買い取った。このままでは儲けはないので付加価値をつけて売ることに。都会で玄米おにぎりの店を作って売ったら、これがあたって儲かった。年間数十トン単位で米を買い取り、棚田の崩壊を防いでいる。」と吉川さん。すごい。

「考えてみれば、自分たちは、好きなことをして、いいとこ取りして生きてきた。
今の世界、20%が豊かで80%が貧しい。食料も20%余っているが、80%は足りない。団塊の世代は、経済効率一辺倒で国を作ってきた。いいとこ取りしていたら、こんな世の中になっていた。」
確かに、変な世の中になっています。

「気がつけば自分も、80%の犠牲の上に、20%のええ目をする人の部類に入っていた。自分が矛盾の中にいた。団塊世代っておかしいところの象徴世代。なんか、後ろめたさってあるでしょう。罪滅ぼしに、次の世代にちゃんと返しておかなくては。」
罪滅ぼしと言われて、ドキッとした人は、見どころあります。たぶん、そんなことに気もつかない人が多いのではないかと。

「特に、日本の農業、食料がたいへんな状況になっている。もう手遅れかも知れないけれど、自然や農業はあるところまで行くと、幾何級数的に限界で突然崩壊する。ほっておくと、あと10年。20年、そんな短い単位で崩壊する。」

「20数年前に手がけたオーガニックレストランは当時全然はやらなかったけれど、今なら、事業的にもいけると踏んで、自身で手がけたレストランも経営するようになり、年商20億円に。飲食業で20億円となると銀行から一部上場をすすめられるようになる。そこで、はたと考えた。サラリーマンがイヤでやめたのに、自分でサラリーマンつくってどうするねん。で、数店舗を残して、ニュージーランドの葡萄園ともども売ってしまって、農園経営で汗を流すことに。いいとこ取りはもうやめようと。」

ソルビバ農園は滋賀県の高島市、市といってもかなり田舎にあります。私も15年ほど前、田舎暮らしがしたくて、家を探しに何度も出かけた所です。ちなみにソルビバとはイタリア語で、ソルは太陽 ビバは万歳とのこと。吉川さん、以外と単純明快。

「家庭菜園でもいい、皆が少しずつでも農業に取り組めば、助かるかもしれない。なかなか<思い通り>にはならないが、自分が<やってる通り>にはなる。だから、僕はやる。」
「田舎に行けば田んぼや畑は無料でいくらでも貸してもらえる。食料の自給自足を目指して、今、<風の人プロジェクト>を立ち上げて、行政をアタックし始めている。市民革命だ。」 

拍手喝采。
お話のあとに乾杯そして、食事。テーブルに並んだ料理の皿は見る間に空っぽになってゆく。やはり有機栽培の野菜は美味しい。あっという間に火が通るのも特徴かも。あ、また、写真撮るの忘れた。ああ、私のメイン料理が〜〜〜。
ずっと、キッチンで料理の世話をしてくださったつれ釣れ人さんに感謝。

吉川さんの、たくさんの心にしみる言葉、お話があったのですが、全部は紹介しきれなくて。ご参加の方々は、口々に感動した、もっとたくさんの人々に吉川さんの話を聞いてもらいたいと。

私の〆の言葉は、「これまで吉川さんの時代を捉えた建築や空間プロデュースの数々、ずっと格好いいと思ってきましたが、今の吉川さんが一番格好いいです。」

私たちが元気なオヤジ倶楽部を作った理由は、5人の発起人それぞれに少しづつ違いはあるものの、オヤジ世代のこれからの生き方如何によって、オヤジ世代の持てる力を生かすことによって、このちょっと困った日本や世界の状況の軌道修正ができるのではないかと、考えたからなのです。
壊れゆく自然、環境、田舎、一次産業、食文化、伝統文化、心や精神などなど。

新しいことを開発してゆくことも大事、経済効率を考えることも大事、それは若者や青年に任せよう。行き過ぎないバランスを考えるのは、オヤジの仕事。
地球も年齢を重ね熟年の域に入り、あちこち痛みも出てきています。熟年だからこそ、こんな痛みも良くわかる。壊れる前のよきモノたちを熟知してる最後の世代もまた、私たちの世代です。

オヤジだからこそできること、オヤジにしかできないこと。次代にオヤジの生きた証を、そして、いい時代を残して欲しい。そんな力になって欲しい。
もちろん、がむしゃらにではなく、マイペース、スローライフでいいのです。
会社から社会へ目を向けたオヤジこそ格好いい。実際に動き出すオヤジが格好いい。

最後まで残って片付けを手伝ってくれた20台30代の女性たちも口々に、吉川さん格好いい。また会いたい。うんうん、ほかのオヤジ倶楽部の会員さんも、カナリ格好いいよ、と、私。(贔屓目)

この倶楽部の趣旨や吉川さんのお話に共感していただき、この日ご参加いただきました会員さんから兵庫県支部を作っていただくお話もいただき、共感の輪がこれからもどんどん広がってゆく予感がうれしい10月のサポーター企画会議でした。

3 Responses to “10月のサポーター企画会議レポ「都会と田舎をつなぐ社会起業」”

  1. 地域に活力・クリエーティブファンド協議会» Blog Archive » 元気な食農倶楽部 Says:

    […] 農園経営・空間プロデューサー 吉川宏一さん講話「ソルビバ農園と都会のオーガニックレストラン 市民革命の実験装置」 […]

  2. ockpahzk Says:

    ockpahzk…

    ockpahzk (more…)

  3. 元気な食農倶楽部» Blog Archive » 元気な食農倶楽部 設立の経緯 Says:

    […] 農園経営・空間プロデューサー 吉川宏一さん講話「ソルビバ農園と都会のオーガニックレストラン 市民革命の実験装置」 […]

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